鶏の唐揚げに寄り添うワイン

by A. Madoka

我が家でリクエストの多い料理、それはズバリ、
大人も子どもも大好きな、鶏の唐揚げ

サクサクふっくらとした衣の中に、ジューシーな鶏モモ肉。

いくつでも食べられそうですね!

もう10年近く、定番にしているレシピがあります。

ポイントは、下味(衣)を二段階に分けて絡めること、
揚げ油にお肉を入れたら、いったん火を止めること。

それさえ守れば、理想の食感に仕上がります。

ひと口大に切った鶏モモ肉に、下味1(写真右)を
もみ込んで、室温で5分ほどおきます。

塩、コショウ、しょう油、日本酒、
ニンニクとショウガのすりおろし、溶き卵、
写真は加える前の状態ですが、最後に片栗粉も加えます。

今回は下味の中にクミンパウダーも混ぜてみました。
カレーを思わせる、あの独特の風味が、ワインに
どんな風に寄り添ってくれるか楽しみです。

お肉を取り出して、片栗粉を中心に少量の薄力粉と
ベーキングパウダーを加えた下味2をなじませたら、
油で揚げていきましょう。

180℃に熱した油にお肉を入れたら、火を止めます。

はじめはブクブクと泡が出ている状態で、
やがて温度が下がり、泡が減っていきました。

その頃には、表面はカリッと固まり、
あとは中までじっくりと火を通すだけ。
はじめに表面を固めているため、
中はふっくらと仕上がるそうです。

いい匂いがキッチンに立ち込め、
美味しそうなキツネ色に揚がりました!

気取らず、アツアツをにぎやかにほお張りたい、
鶏の唐揚げに合わせるワインは、
やはり、リラックスして楽しめるものがいいですね。

今回選んだ白ワインは、ソーコル・ブロッサー
エヴォリューション ホワイト ラッキーナンバーナイン 2019

アメリカ、オレゴン州の造り手です。

オレゴン州は、カリフォルニア州、ワシントン州、
ニューヨーク州に次ぐ国内第4位のワイン生産地
現在では790以上のワイナリーがあります。

小規模生産者が多く、地域の豊かな自然を守るため、
サステイナブル、オーガニックにこだわる造り手が多い
のも特徴です。

先駆的な生産者によって1960年代からブドウ畑が拓かれ、
冷涼な気候から生まれる上質なピノ・ノワールが
評価を高めていきました。

次いで、ピノ・グリ、シャルドネ、リースリングなどの
白ワイン品種も、盛んに栽培されています。

ソーコル・ブロッサーは、1971年にブドウを植樹。
草創期からオレゴン州に根を下ろして、環境にも配慮し、
指導者的役割も担ってきた、家族経営のワイナリーです。
2005年にはオーガニック認証を受けています。

自社畑は丘の中腹にあり、多彩な品種のブドウを栽培。

このワインは、リースリング、ピノ・グリ、セミヨン、
ミュラー・トゥルガウ、マスカット、シャルドネ、
ゲヴュルツトラミネール、と非常に多彩なブドウが
ブレンドされているのがユニーク。

ブドウの87%はコロンヴィア・ヴァレー
残り13%はウィラメット・ヴァレーの畑から。

いずれもオレゴン州を代表する産地で、
コロンヴィア・ヴァレーは、ワシントン州にまたがり、
夏は暑く、冬の寒さが厳しい地域。

ウィラメット・ヴァレーは、太平洋沿岸の海岸山脈と
カスケード山脈の間に位置。
夏は温暖で乾燥した気候ながら、
カスケード山脈の雪どけ水に恵まれた銘醸地です。

ワインの色は、淡く明るい麦わら色。

ライチやマスカットの香りが広がり、
アロマティックで華やかな印象です。

口に含むと、みずみずしく酸味も豊か。
残糖は1リットル中9.5gで、ほのかな甘さを感じる造りも、
ブドウのいきいきとしたフレーヴァーを引き立てています。

唐揚げに合わせてみましょう。

揚げたてのサクッとジューシーな鶏の唐揚げは、
ニンニクやショウガ、ほのかなしょう油の香味をまとって、
クミンのスパイス感がピリッとアクセント。

ミュラー・トゥルガウ、マスカット、ゲヴュルツなどの
高貴で甘やかなアロマが、エキゾチックなスパイス感を、
南国のフルーツのように彩り、何とも言えない幸福感に包まれます。

ベースには、リースリングの綺麗な酸、ピノ・グリの洗練。
静かに長く続くレモンピールのような苦みと、
どこか吟醸香のような落ち着いた香りも心地よく、
飲み飽きることなく、食事に寄り添ってくれます。

それでは、みなさまの食卓が、
素敵なワインで心豊かになりますように。

ワインの詳しい紹介は、こちらへ。

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