生春巻きに寄り添うワイン
by A. Madoka
わが家でときどき作る、ベトナム料理 生春巻き。
すりガラスから食材の色が透けるような見た目も楽しく、
生野菜がたっぷりとれる、お気に入りのメニューです。
具材は、エビ、アボカド、鶏肉、キュウリ、レタスなど。
青じそやバジルを使ってアクセントを付けています。
写真のほか、お湯で戻した春雨も一緒に巻きました。
スイートチリソースが定番の組み合わせですね。
市販のものはちょっと甘く感じるので、手作りしています。
酢、レモン汁、水、ヌクマムを同じ割合で混ぜ、
輪切り唐辛子、豆板醤少々を加えます。
ヌクマムはベトナムの魚醤ですが、ナンプラーでも。
砂糖は、ほかの材料の3分の1程度と控えめにしました。
もう1種類は胡麻ソースを用意しました。
ごま油2に対し、酢とヌクマムを1ずつの割合で、
すり胡麻をたっぷりと加えます。
ライスペーパーをぬるま湯にさっとくぐらせ、
まな板やふきんの上で巻きます。
くっついてきてしまうので、手早く巻くのがコツ。
野菜類をひと巻きした後、エビや鶏肉など表に
見せたい具材をのせて、さらに巻いていきます。
なかなかパーフェクトにはいきませんが、
切って盛り付けるので気楽にまいりましょう。
もちもちのライスペーパーに包まれたサラダを
ソースでいただく、前菜にもぴったりな一皿です。
生春巻きに合わせてみたいのは、ロゼワイン。
さまざまな国で造られ、和食、中華、アジア料理など
幅広い料理と相性が良いと言われています。
今回選んだのは、バード・イン・ハンド ピノ ロゼ 2020
オーストラリアの最大のワイン産地、南オーストラリア州、
標高400~600mの場所に広がるアデレード・ヒルズに
バード・イン・ハンドのワイナリーはあります。
醸造長のキム・ミルンは、世界最高峰のワインの資格
マスター・オブ・ワインをオーストラリアで2番目に取得した人物で、2014、2015年と
ワイン・メーカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。
2019年にはキム・ミルン(写真右)とディラン・リー(同中央)が、インターナショナル・ワイン・チャレンジで
ベスト・オブ・レッドワインメーカーを受賞。
国際的に高い評価を得る造り手です。
冷涼な畑から晩夏の夜に収穫されたピノ・ノワールを使用。
2~4時間、果汁に果皮などを漬け込むスキン・コンタクトにより、色と香りを抽出。
ピノ・ノワールの繊細さと酸度を保ちながら熟成されます。
グラスに注いでみると、鮮やかなサーモンピンクが美しく、
色のイメージにぴったりな、ピンクグレープフルーツや
赤いベリーのみずみずしい香りが漂います。
グラスを回して空気を取り込むと、
バラの花びらのような香りがゆっくりとひらいていきます。
フルーティーなアタックで、飲み口はドライ。
辛口な味わいが食中酒にぴったりです。
さっそく、エビとアボカドの生春巻きを、
スイートチリソースでいただきました。
プリプリのエビと、つるりとした春雨の食感がよく、
さわやかなバジルの風味がアクセント。
ソースのピリピリ感を舌に感じつつ、
ワインをひとくち口に含みました。
すると、みずみずしさ、果実味がより引き立ちました。
バジルやトウガラシのようなパンチのある味わいにも
ボディがしっかりしているので、負けません。
バジルの芳しさと花びらのようなロゼの芳香が、
気品のあるペアリングになりました。
鶏肉とキュウリに青じそを効かせた生春巻きは
胡麻ソースで。
さっぱりとした和のテイストを、
コクのある胡麻ソースが引き立て、
後味にやわらかく広がっていく酸味が全体を引き締めます。
鶏肉や胡麻、シソのいずれとも相性の良い、
柑橘類を添えていただくようなイメージでしょうか。
すっきりとした飲み口と、ふくよかさが同居するロゼ。
日々の食事を華やかに、気さくに彩ってくれるので、
ぜひ、お気軽に取り入れてみてください。
ワイナリーでは、サステイナブル農法を手がけ、
地域の人へ向けたコンサートや、チャリティー事業など、
環境と人に優しい取り組みを実施。
人の手の中に小鳥を描いたアイコンも可愛らしく、
裏面のイラストが透けて見えるチャーミングなボトルは、
飲み終えたらフラワーベースにしても素敵ですね。
それでは、みなさまの食卓が、
素敵なワインで心豊かになりますように。
ワインの詳しい紹介は、こちらへ