蒸したクルマエビに寄り添うワイン

みなさんエビ好きですよね。もちろん私も。
北陸の甘えびや、北海道のボタンエビ、シマエビはお刺身で。インドネシア産の大きな天然エビは、塩焼きやエビフライ。
最近のお気に入りは、活きクルマエビの蒸篭蒸し。中華風のオリジナルなタレで、さらに美味しくなります。

今回は、蒸したクルマエビに寄り添うワインを、試してみました。

冷蔵庫で冷え切って、動き出さないうちに、蒸篭に並べます。艶やかな美しい色にうっとり。
沸騰した鍋に乗せて、蒸し時間は10分程度。塩も酒もふらず、そのままで。

タレは、ニンニクのみじん切りに、醤油、みりん、黒酢、ごま油と分葱を加えたもの。
中国東北地方の餃子のタレに、蘇浙料理のニュアンスを加味したオリジナルなレシピです。

合わせたワインは、イタリアの代表的な白ワインのひとつ、ソアヴェ・クラシコ。
イタリア北東部の、ヴェネチアで有名なヴェネト州のワインです。ブドウの品種はガルガーネガが主体となります。
色合いは緑がかった麦わら色で、フレッシュな柑橘系果実の香りと、清涼感とミネラル感のある酸味と深みのある後味が楽しめます。

ソアヴェというと、すっきり、さっぱりなイメージかもしれませんね。実は、ソアヴェとソアヴェ・クラシコは、まったくスタイルが異なります。
ソアヴェは平野部で作られ、軽快でシンプルな味わいです。それに対して、ソアヴェ・クラシコは、土壌に黒色火山岩を含む、丘陵地帯の古い畑で作られ、芳醇な香りと味わいにコクがあります。

さて、蒸篭のふたを開けると、こちらもまた美しい朱色に、蒸し上がりました。
さっそく殻をはずして、1匹目はそのまま口へ。香ばしい甘みが幸せいっぱいに広がります。
ワインをふくむと、クルマエビの余韻と見事に一体化、溶けてしまいそうな気分です。

2匹目は中華風のタレをつけてみました。ニンニクや黒酢に負けてしまうかな、とちょっと心配です。
でもびっくり、タレの複雑味とワインのミネラル感や果実味が、不思議に調和して、うっとり。
イタリアンには、ニンニクやバルサミコも使うことを思い出して、なんとなく納得しました。

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こちらのワインは、ソアヴェの3大生産者と呼ばれる、ジー二のベーシックなものになります。
ジー二は、1700年代からガルガーネガ種を栽培してきた歴史ある造り手です。
ブドウは平均樹齢は60年以上の古樹、地中深く根を張り巡らして、火山岩土壌からくる独特のミネラル感がたぷり。

ところで、蒸篭の上段には昆布を敷いて、真鯛の切り身とホタテ貝柱を入れてみました。

クルマエビに比べると、ややさっぱりとした味わいですが、異なる食感も楽しめます。
こちらも、そのままでも、中華風タレをつけても、ワインとの相性はバッチリです。昆布もグッド。シーフード全般と合いそうですね。

今回は、蒸したクルマエビに、ソアヴェ・クラシコを合わせてみました。
それでは、みなさまの食卓が、素敵なワインで心豊かになりますように。

ワインの詳しい紹介はこちらへ。

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