自家製パンチェッタに寄り添うワイン
by A. Madoka
日々の食卓に、とっておきの「自家製」があれば、
料理がグンと楽しくなりますね。
楽しみにしていた、
パンチェッタ(塩漬け豚)が完成しました。
豚バラ肉に、塩とハーブをすり込んで、
ときどき水分を拭き取りながら、
冷蔵庫で2週間ほど寝かせるだけ。
余分な水分が出て、お肉が引き締まったら、食べごろです。
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さあ、どんなワインと一緒に楽しみましょうか。
軽めの赤ワイン、コクのある白ワイン、
どちらもよさそうです。
きれいなピンク色の断面から、
そうだ、ロゼワインにしようと思い立ちました。
ワインとお料理のマリアージュのコツは、
「色で合わせる」とよく言われます。
ところで皆さま、ロゼはお好きですか?
ワインは好きだけれど、ロゼはあまり選ばないという方も、
いらっしゃるかもしれません。
じつは私も、そうでした。
ところが、ある初夏、バーですすめられた
プロヴァンスのロゼが美味しくて。
キレのよさ、ふくよかさ、ミネラル感が、
口の中で一体となって、
「ロゼって、こんなに奥深いのね」と、
開眼したのです。
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こちらは、お店で扱うロゼの
スティルワイン(非発泡性ワイン)の一部。
フランス、イタリア、スペイン、アメリカなど、
生産地はさまざま。
のど越しのよい軽やかなものから、
コクのあるタイプまで、多彩にそろいます。
ロゼワインは、一般的に
赤ワイン用の黒ブドウで造られます。
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黒ブドウのふくよかさと、
白ワインのような軽やかさを備えているため、
お魚にもお肉にも、合わせやすいのが魅力です。
前菜からメインまで、
1本のワインで通したいときにも、おすすめ。
和食、中華、エスニックなど、
幅広い料理と相性がよいことでも注目されています。
今回は、私がロゼに目覚めるきっかけとなった、
南仏プロヴァンスから。
シャトー・レ・ヴァレンタインの
キュヴェ 8 ロゼを選びました。
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生産量の9割近くをロゼワインが占める
AOC(原産地統制呼称)コート・ド・プロヴァンス。
その中でも、収量などの規定が、より厳しいサブゾーン
コート・ド・プロヴァンス・ラ・ロンド
に位置するワイナリー。
地中海に近く、日照・水はけ・土壌に恵まれた、
プロヴァンス・ロゼ最高峰のヴィンヤードから、
年間8000本のみ生産される、
ビオロジック認証のワインです。
ブドウ品種は、ムルヴェードルとサンソーが半量ずつ。
ムルヴェードルは、タンニンが豊かで、
濃厚かつスパイシーなワインに。
サンソーは、酸味が持ち味で、
ベリー系の果実味をもたらします。
果皮を漬け込む「スキン・コンタクト」の製法で、
ブドウの風味をしっかりと引き出しています。
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ワインの色調は、オレンジ色を帯びた、淡いバラ色。
ピンクグレープフルーツのようないきいきとした香りに、
ピュアなベリー香、貝殻のような海のニュアンス、
蜂蜜の甘い香り。
グラスを傾けると、
色彩豊かなパレットのような芳香が匂い立ちます。
せっかくなので、前菜から始めましょう。
プロヴァンスといえば、太陽がさんさんと降り注ぐ、
ヴァカンスの地。
真っ赤に色づいたトマト、マルシェに並ぶ新鮮なハーブ、
オリーブオイルなど、豊かな食材を思い浮かべて。
最初の一品は、プロヴァンスの郷土料理・ラタトゥユ。
オリーブオイルとハーブをたっぷり使った、
夏野菜の煮込みです。
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温かいのはもちろん、冷やしても美味しい常備菜。
我が家では作り置きして、
前菜や付け合わせに重宝しています。
炒め煮で、野菜の旨みをじっくり引き出し、
味付けは塩とタイムでシンプルに、
仕上げにパセリを散らして。
サーモンも、
きれいなロゼ色からイメージする食材ですね。
お刺身用を、塩で2時間ほどマリネし、
ワインヴィネガーとオリーブオイル、
刻んだパプリカとケイパーで風味をプラス。
火を使わない簡単料理です。
たちまち、ロゼ色のテーブルが調いました。
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ワインを口に含むと、ピチピチと弾けるような酸、
ピュアな果実味がふわりと口に広がり、
幸せを運んでくれるような味わいです。
後半には、アルコールの厚みとコク、
ミネラル感が、長い余韻をもたらします。
多種類の野菜を使ったラタトゥユに重なり合う、
ワインの複雑味。
スーッと心地よいミントのような清涼感は、
とりわけ、ナスの甘味を引き立ててくれるようです。
脂の乗ったサーモンと味わうと、
海のニュアンスの塩味が、くっきりと表れます。
さあ、いよいよパンチェッタの出番。
トマト缶を合わせて、
アマトリチャーナのパスタにしてみました。
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薄切りのベーコンとはひと味違い、
脂身の甘さがじんわりと広がる、
滋味深い味わいのパンチェッタ。
コクのあるタイプのロゼと、みごとなペアリングです。
タイムとローリエの風味をまとったパンチェッタに、
プロヴァンス・ロゼならではの、
ハーブやスパイスの香りが寄り添います。
クリアなピンク色が、
気持ちを浮き立たせてくれる、ロゼワイン。
太陽の日差しがよく似合い、
ランチやアペリティフにも最適です。
それでは、みなさまの食卓が、
素敵なワインで心豊かになりますように。
ワインの詳しい紹介は、こちらへ。