メカジキのソテーに寄り添うワイン
by A. Madoka
皆さまの食卓に、お魚が登場する機会は多いでしょうか。
我が家では、正直なところ、お肉に比べ登場の機会が
少ないですが、せっかく海に囲まれた国に暮らしているので、
もっともっと増やしたいと思っています。
とりわけ、キリっと冷えた白ワインが美味しい季節には、
お魚とワインのマリアージュを楽しみたいですね。
通年、手に入り、切り身で売られているメカジキは、
調理が手軽で、おさかな献立の強い味方。
照り焼きや塩焼きなど、和食の主菜にも良いですが、
ここはグッと、ワインに寄り添う一皿にしたいと思います。
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メカジキは塩・コショウを振って少し置き、
水分を拭き取ってオリーブオイルでソテーするだけ。
決め手は、みじん切りにした野菜にマンゴーをプラスした、
ちょっとおしゃれなソース。
お魚をソテーする前に、あらかじめ作っておきます。
新タマネギ、キュウリ、種を除いたトマトを角切りに。
ニンニク少々はみじん切りにします。
マンゴーは、手ごろな価格の輸入品を使いました。
角切りにして、ほかの材料と合わせ、レモン汁、塩、
ワインヴィネガー、オリーブオイルでマリネします。
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ふっくらとした食感を損なわないよう、程よくソテーした
メカジキに、ソースをかけると、ふわり。
ソースが温まって、マンゴーの甘い香りが漂います。
合わせるワインも、フルーツのアロマを持つような
白ワインが良さそうです。
選んだのは、ソーヴィニョン・ブラン。
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ニュージーランド、マールボロの生産者・グレイワッキが
手がける1本です。
北島と南島、そのほか小さな島から成るニュージーランド。
南島に位置するマールボロは、国内最大のブドウ栽培地で、
全体の約8割をソーヴィニョン・ブランが占めています。
マールボロのソーヴィニョン・ブランを一躍有名にした
クラウディ・ベイのチーフ・ワイン・メーカーを
創業時から25年間務めたケヴィン・ジュッド氏が、
2009年にスタートしたブランドです。
クラウディ・ベイと同じ契約農家の畑を借り、自ら管理。
日照時間に恵まれ、夏から秋の穏やかな気候が、
ブドウの酸やアロマを損なわず保持します。
ブドウの収穫は、通常よりも少し遅らせて、
フレッシュ感に奥行きをプラスしたスタイルに。
醸造においては、プレスした後、一定期間低温で保管し、
果汁を落ち着かせてから発酵。
そうすることで、クリアな風味を引き出し、
熟成のポテンシャルをさらに高めているそうです。
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グラスに注いだ瞬間に、ふわーっと香りが立ちのぼります。
グレープフルーツやレモンの皮、パッションフルーツ、
そして、マンゴーのようなトロピカルな香り。
レモングラスのようなハーブの香りも。
口に含んでみると、弾けるような酸が広がって
清涼感でいっぱいに。
のど越しにミネラル感がもたらす旨みのある苦みを感じ、
やがて優しい果実味にじんわりと包み込まれるような
余韻へと変わっていきました。
ソーヴィニョン・ブランらしく、爽快でアロマティック、
かつ、ふくよかさ、やわらかさも感じさせるスタイルです。
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さあ、お料理と合わせてみましょう。
メカジキのソテーは、脂が程よくのっていて、
しっとりとした食感。
あっさりとしながらも旨みのある味わいを、
トマト、タマネギ、ニンニクの風味が引き立てます。
まったりと濃厚な甘味のマンゴーは、
お料理のいちばんのアクセント。
仕上げに飾ったディルも個性のあるハーブで、
若々しく青い香りが、マンゴーとは好対照です。
お料理自体にさまざまな味の要素があるので、
ひとくち味わい、ひとくちワインを口に含むと、
そのたびごとに異なる表情を見せてくれるのが魅力。
爽快感、塩味、果実味など、味わいがゆっくりと
花開いていくようなワインと、
フルーツや野菜の風味が重なり合う、お魚料理と、
とても波長が合って、魅力的なマリアージュとなりました。
それでは、みなさまの食卓が、
素敵なワインで心豊かになりますように。
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