魚介の前菜に寄り添うワイン

by A. Madoka

暑い日が続き、長時間キッチンに立つのはちょっと…
という日もありますよね。

そんなとき手軽で嬉しいのが、火を使わない魚介の前菜類
スライスしてカルパッチョ風にすると、
たちまちワインのおつまみらしい一皿に。

今回は、お刺身用の真鯛と、スモークサーモンを用意して、
簡単な前菜を作りました。

真鯛はスライスして、塩を振って少し置いてから
水分を拭き取り、味を引き締めます。
味付けは、レモン汁、塩、オリーブオイルの
シンプルなドレッシング。直前に添えていただきます。

スモークサーモンは、サラダ仕立てに。
フリルレタス、紫タマネギ、黄色いパプリカ。
彩りのよい野菜を合わせると、見た目も華やかです
ドレッシングは、ワインヴィネガー少々に、
塩とオリーブオイル、仕上げのブラックペッパー。
サーモンの塩味とスモーキーな風味を生かして、
控えめな味付けにしました。

さあ、どんなワインを合わせましょう。

生もの独特の風味や、ドレッシングの酸味にぶつからず、
さわやかに引き立ててくれるワインがよさそうです。

選んだのは、オーストラリア・ヴィクトリア州のスパークリングワイン
タルターニ・ヴィンヤーズ Tシリーズ スパークリングです。

メルボルンを州都に持つヴィクトリア州は、
南オーストラリア州、ニュー・サウス・ウェールズ州に
続き、ワイン用ブドウ生産量は国内第3位。

大手ワイナリーの本社がある南オーストラリア州と異なり、
中小規模のワイナリーが多いのが特徴です。

冷涼な大陸気候で、赤い粘土質の石英と砂地のローム層の
肥沃な土壌が、カリフォルニア・ナパの有名ワイナリー
クロ・デュ・ヴァルに見出され、
姉妹ブランドとしてタルターニがスタートしました。

ワインをグラスに注いでみると、明るい麦わらの色調で、
シュワシュワと爽快な音を立てて、弾けるような泡立ち
青リンゴや柑橘類の香りに、アプリコットやメロンのような
甘い香りが入り混じります

酸を感じるキリリとしたアタックで、溌溂としてさわやか。
かつ、重厚なボディ感で余韻もしっかりと感じられる、
ふくよかな味わいは、ピノ・ノワールを使用しているため。

ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエのセパージュ、
70%の現行ヴィンテージに、30%のリザーヴワインを
ブレンドし、瓶内二次発酵で仕上げられます。

シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で、
ゆっくりと時間をかけて醸された、繊細な泡立ちと、
ブドウのうま味をじっくりと引き出した芳醇な味わいが、
むっちりと引き締まった身、淡泊な味わいの奥に
脂の甘味を秘めた真鯛のカルパッチョに、
よくマッチしています。

風味のあるスモークサーモンと一緒に味わってみると、
ワインに感じられる心地よい苦みやコクの部分が、
いっそう際立つような印象です。

ここまで味わってみて、さらに味わいの濃厚な魚介類にも
合わせてみたくなり、ホタテのお刺身も用意しました。

肉厚の北海道網走産ホタテは、プリっとした食感で、
甘味たっぷり、ほのかな潮の味わい。

このままでも十分ですが、すりおろしたニンニクと醤油で、
複雑味をプラスしてみると、これが正解でした。

ホタテの甘味と、ニンニクのピリッとした香味が舌の上で重なった後、
ワインの味わいがグッとまろやかに、やわらかく感じ

新しい表情を見せてくれました。

果実味豊かなスパークリングワイン。
華やかな乾杯にはもちろん、
和洋問わず多彩な味付けに寄り添って、
食事を引き立ててくれる多層的な味わいが、
とても魅力的な1本です。

それでは、みなさまの食卓が、
素敵なワインで心豊かになりますように。

ワインの詳しい紹介は、こちらへ。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です