牛肉の赤ワイン煮に寄り添うワイン
by A. Madoka
秋が深まり、煮込み料理が恋しくなってきました。
今回は赤ワインとの王道マリアージュ、
牛肉の赤ワイン煮を作ってみたいと思います。
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用意したのは、国産牛のすね肉。
できるだけ霜降りの多い部分を選びました。
牛肉800グラムに対して、赤ワイン600mlを
たっぷりと使います。
塩コショウをして小麦粉をまぶした牛肉の表面を
こんがりと焼きます。

同じフライパンにバターを溶かして、
ニンニクとタマネギを炒め、
刻んだトマトと赤ワインをひと煮立ちさせたら、
牛肉と一緒に、煮込み用の鍋で煮込んでいきます。
ごくごく弱火で、じっくりと1時間半。
途中でニンジンとブラウンマッシュルームも加えました。
とろみがついてきましたが、まだ少し水っぽかったので、
蓋を開け、強火で煮詰めて仕上げました。

トロリとしたブラウンソースに仕上がり、大成功。
さて、牛肉の赤ワイン煮には、
しっかりとしたタイプの赤ワインがよく合います。
選んだのは、アメリカ ワシントン州の
ビューティー・イン・カオス シラー2017
ワシントン州最大のAVA(米国政府認定ブドウ栽培地域)
コロンビア・ヴァレーで女性醸造家が手がける、
シラー100%のワインです。
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シラーで名高いワイン産地といえば、フランス南部ローヌ。
オーストラリアも有名で、こちらはシラーズと呼ばれ、
一般的にパワフルな味わいのワインが多いです。
今回のワインは、ローヌを意識したエレガントなスタイル。
ワシントン州はシラーの栽培に適した産地として
近年注目を集め、カベルネ・ソーヴィニョン、
メルローに続き、盛んに栽培されています。

醸造家のアシュレイ・ボレン(=写真)は、
ワシントンワイン好きが高じて現地へ、
料理、ワイン、園芸を学び、
ワイン造りをスタートしました。
あわただしい現代社会のカオス(混沌)の中に、
美を見つけることで、癒しと安らぎをもたらしたい。
そんな願いから、デイリーに楽しめて感動のあるワイン
を追求しています。
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ワインの色は深みのあるルビーレッド。
縁は紫色を帯びています。
グラスから立ちのぼるのは、カシスやブラックチェリー、
干しプルーンやヴァニラまで、甘く複雑な香り。
シラー特有のスパイスの香りもしっかりと感じられ、
ナツメグ、シナモン、クローブなど、
心地よく鼻をくすぐるような芳香があります。
口当たりはなめらかで、
最初に感じるのは、凝縮した果実味とコク。
やがてスパイスの風味が広がり、
完熟フルーツとスパイスの調和が
うっとりとするような長い余韻へ導きます。
お料理の登場です。
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じっくり煮込んだ牛すね肉は、ナイフでほろりとくずれ、
やわらかく、肉の旨みをたっぷりと閉じ込めています。
ワインにとけ込みながら豊かに感じるタンニンが、
濃厚なお肉の煮込み料理を、いっそう引き立ててくれます。
タマネギの甘味がとけ込んだソースは香ばしくて、
フルーティーかつ熟成されたワインと抜群の相性。
今回使った香味野菜は、ニンニクとローリエ、
そして、たっぷりのタマネギ。
シンプルなぶん、ワインのスパイス感が、
程よいアクセントを添えてくれました。
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タイムやセロリなどをふんだんに使って、
ワインの複雑味との調和を楽しむのも良さそうです。
それでは、みなさまの食卓が、
素敵なワインで心豊かになりますように。
ワインの詳しい紹介は、こちらへ