クリガニに寄り添うワイン
クリガニってご存じですか。
青森県の方ならみなさんご存じ、そして4月中下旬のお花見の宴に、欠かせないごちそうとも聞きます。
そんなクリガニが、早くも1月下旬の築地魚河岸に登場しました。
もちろん青森県産で、しかもお魚屋さんのお兄さんも、驚くほどの特大サイズ。
見た目の通り毛ガニに似ていますが、お値段はかわいそうなくらい格下なので、見つければお手軽に楽しめます。
という次第で、今回はクリガニに寄り添うワインを試してみました。
まだ動いているカニを流水で洗い、蒸し器の中へ。蒸し時間は大きさによりますが、今回は沸騰してから20分ぐらい。そのあと、同じぐらいの時間、蒸し器の中で放置します。
さて、ワインは何を選びましょう。
実はお値段なりに、濃厚さと複雑味については毛ガニほどではありません。ほのかで繊細な北国の春のイメージでしょうか。
平凡に思われるかもしれませんが、今回は王道のシャブリで合わせました。
シャブリがシーフードに合う、と言われている理由は2つ。
ブルゴーニュ地方の一番北の産地なので、気候は冷涼、ワインにはしっかりときれいな酸が生まれます。
また、キンメリジャンと呼ばれる土壌は、小さな牡蠣の化石を含む石灰質が混ざっているので、独特のミネラル感をもたらします。
酸とミネラルがポイントですね。
こちらのワインは、ヴリニョ シャブリ 2018になります。
この地で5世代続く、家族経営のドメーヌで、2014年からECOCERTのオーガニック認証を受けています。
さてワインを口に含みましょう。甘美な柑橘類のアロマに、ストレートでピュアな果実味とミネラルを感じます。
そして、味わいの強さは、並のシャブリ(グランクリュやプレミアクリュでない)としては破格です。
クリガニもいただきます。
甲羅を開けたら、やっぱりカニミソから。
もちろんカニミソの芳醇な味わいだけでもうっとり。その残り香に、ワインのピュアな酸と果実味が混じると、口の中は幸せにあふれます。
続いて二つに割って、キッチンバサミを使いながら身をいただきます。
はかなくジューシーな白い身を、ワインがやさしく包み込むような味わい。
お後は黙々と、カニとグラスの往復で忙しく。。。
今回はクリガニとワインを合わせてみました。
それでは、みなさまの食卓が、素敵なワインで心豊かになりますように。
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