デミグラスソースに寄り添うワイン

by A. Madoka

牛肉の煮込み料理と赤ワイン
うっとりするような組み合わせですね。

塊肉をコトコト煮込んだ料理も素敵ですが、
「今日は赤ワイン」と思い立ってサッと作れる一皿が、
日常の食卓には嬉しいもの。

そこに、ワインが得も言われぬバランスで
寄り添ったときの幸福感といったら…。

缶詰のデミグラスソースを使った、
濃厚なハッシュドビーフは、わが家の人気メニュー。

新聞のレシピで読んだ有名シェフの「裏技」にならい、
薄切り肉は軽く塩・コショウしてから
クルクルと棒状に巻き、
小麦粉をまぶして表面をこんがりと焼き上げます。

こうすると、
頼りないコマ切れ肉でもボリューム感が出て、
お肉のうま味を存分に楽しむことができるのです。

肉を取り出したフライパンで、野菜とキノコ類を炒めたら、
デミグラスソースと水、牛乳、しょう油を加えて
15分ほど煮込みます。

自家製トマトソースを隠し味に、
ナツメグなどのスパイスもひとふり。
キッチンに良い匂いが立ち込める、至福のひとときです。

ターメリックパウダーを混ぜて炊き上げたライスに、
アツアツをたっぷり添えてほおばると、香ばしい牛肉、
こっくりとしたブラウンソースの濃厚な味わいが、
口いっぱいに広がります。

合わせる赤ワインも、
やはりコクのあるタイプがマッチします。

今回選んだのは、シラー60%に、
サンジョヴェーゼとメルローを20%ずつブレンドし、
オーク樽で半年以上、さらに瓶内で熟成させた
イタリアワイン「ネモリーノ」。

シラーは、南仏のローヌ地方で古くから栽培される、
スパイシーな香りとパワフルな味わいを持つブドウ。

サンジョヴェーゼは、この品種を主体にした
トスカーナ地方の銘柄「キャンティ・クラシコ」がよく知られ、
いきいきとした酸と、ほのかな苦みのあるワインに。

仏ボルドーの代表品種・メルローは、
豊満でなめらかな味わいです。

いずれも「肉料理によく合うワイン」を生み出す、
フランスとイタリアの品種をブレンドしたところが面白いですね。

生産者はトスカーナ北西部のファウリアで、
ビオロジック認証を受ける「イ・ジュスティ・エ・ザンツァ」。

I Giusti & Zanza Vigneti

砂質に石灰粘土質が混ざった17haの畑で、
ボルドーに似た気候を生かしながら、
温度管理せず発酵を行うなど、
自然に寄り添った小規模生産を行っています。

フランスのAOC(原産地統制呼称)のように、
イタリアにもDOC、DOCGといった格付けがあり、
それらを冠するには生産地域と
使用品種の規定に沿う必要があります。

一方で、格付けにこだわらず、
高い評価を得る生産者が多いのもトスカーナの特徴。

そういったワインを指す
「スーパータスカン(トスカーナ)」の造り手で、
イタリアワインの新しいスタイルを発信しています。

ワインの色調は、紫色を帯びた深いルビーレッド。
傾けると、グラスの壁をゆっくりと伝う粘性の高さに、
よく熟したワインであることがうかがえます。

スミレの花、カシスやブルーベリーなどの黒いベリー類、
シナモン、ナツメグなど多種のスパイス香、
スーッと鼻に抜けるメントール。
複雑に重なり合う香りが、なんとも魅惑的!

口に含んでみると、酸のさわやかさが際立ち、
ジューシーな果実味がボリュームいっぱいに広がります。

舌を覆うようなタンニンがあり、
とても余韻の長いワイン。

熱を伴うような温かみと、ほのかな苦みを後味に残し、
まったりとして香ばしい料理の味わいと響き合います。
そして、きれいな酸が口の中をすっきりとさせ、
また次の一口へ…。

スパイスやフルーツの混じり合う複雑な芳香、
のびやかで広がりのある味わいが、
さまざまな食材がとけ込んだ、
デミグラスソースの煮込み料理とマッチすることを知りました。

それでは、みなさまの食卓が、
素敵なワインで心豊かになりますように。

ワインの詳しい紹介はこちらへ

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